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2021年5月16日

説教要旨  「キリストの昇天と再臨」  使徒1:9-11

序:若い頃、運転していた車が踏切内で脱輪した事がある。そこは駅の近くだったので、大声で助けを呼んだ。近くにおられた方々が来て下さり、車を押してくださり、事なきを得た。無事に脱出できたことを感謝した半面、踏切はいつか遮断機が下りてくる恐怖を思った。聖書には、終末時代にキリストの再臨があると預言されている。世の終わりの時である。

荒筋:本日は、キリストの昇天と再臨を学ぶ。イエスは復活後40日間を地上で過ごされた。その後、弟子達が見ている前で、オリーブ山から雲に乗って天に帰られた。さらに天使は「天に上げられたイエスは、天に上って行かれた時と同じ有様で、またおいでになります」(使徒1:11)と告げた。キリストの昇天と、キリストの再臨は聖書の中心的教理である。使徒信条にも「そこからこられて、生きている者と死んでいる者とをさばかれます」と主の再臨が記されている。 

主の復活:「イエスは苦しみを受けた後、40日の間、彼らに現われて、神の国の事を語り」(使徒1:3)。イエスは十字架刑で死に、三日目に墓からよみがえった。人は死んで終わりではなく、イエスを信じる者はイエスと同じ様に復活し、永遠の生命が与えられる。その事を弟子たちに示すために、イエスは復活後も40日間を地上で生活された。

エマオへの途上で二人の弟子に現われ、トマスやペテロにもご自分を示された。ある時、500人以上が集う場にも現れた(Ⅰコリント15:6)。ご自分の身体が幻や霊ではなく、新たな肉体をもってよみがえられた事を証明された。そして救い主としての役割と使命を果たされた後、天に帰る時を悟られた。イエスはご自分の時代に区切りをつげ、次に聖霊到来の時代が始まる事を教えらえた。

主の昇天:「イエスは彼らが見ている間に上げられ、雲に包まれて、見えなくなられた」(9節)。弟子たちは、復活されたイエスに「今こそ、イスラエルを再興してくださるのですか」(6節)と、政治的な指導者としてのイエスに期待をかけた。しかしイエスの使命は、天の御国に帰る事である。オリーブ山の山頂から、弟子達の見ている中、イエスの体は天に上り、雲に包まれて見えなくなった。地上に残された弟子達の思いと、イエスの思いとに大きな開きがあった。どの様な思いで弟子達は、空を見上げていたことだろう。

主の再臨:「このイエスは、天に上って行かれるのをあなたがたが見た時と同じ有様で、またおいでになります」(11節)。イエスは昇天されたが、再び地上に戻って来られる事が天使によって告げられる。再臨の日時は不明だが、その前兆としるしは示されている(マタイ24:3-14)。

さらに再臨の状況と有様は、テサロニケ第一の手紙(4:13-18)に詳しく記されている。天使のラッパの響きのうちにイエスが天から雲に乗って下って来る。その時、キリストにあって死んだ者がよみがえって、雲の中に引き上げられる。次に、その時に生存しているキリスト者が生きたまま雲の中に一挙に引き上げられる。雲の中で、イエスとその信者達が顔を合わせ、再会の喜びを分かち合う。その後、天の御国へと導かれる。

しかし地上に残された者には、「遮断機」が閉じられる時が来る。さばきの火炎が天から降り、永遠のさばきの中に入れられる(Ⅱペテロ3:0-12)。イエスの再臨は、ある者には希望と信仰の完成の時となり、ある者には審判と滅びの時となる。それ故に、我々は愛する者を永遠の滅びに入れない為に、今のうちに福音を語り、救い主イエスを信じてもらう必要がある。

主日礼拝の説教

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